おなかの症状|むろや小児科アレルギークリニック|吹田市阪急千里山駅の小児科・アレルギー科

〒565-0842大阪府吹田市千里山東 2-27-14
阪急千里山駅前ウェルビーイングテラス 3階
06-6387-5555

WEB予約

ヘッダー画像

おなかの症状

おなかの症状|むろや小児科アレルギークリニック|吹田市阪急千里山駅の小児科・アレルギー科

おなかの症状の関連疾患

腹痛は多様な原因でこどもではよく見られる症状で、下記のようのものがあります。

感染性胃腸炎

発熱、腹痛、嘔気嘔吐、下痢などの症状を認め、ほとんどの場合はウイルス感染症です。ウイルス感染症の代表として、夏に流行がみられるアデノウイルス感染症、冬に流行がみられるノロウイルス、ロタウイルスがあります。また、一部に血便を認めることがあり、その場合は細菌感染症を疑います。細菌感染症の代表として、鶏卵摂取によるサルモネラ感染症、鶏肉摂取によるカンピロバクターがあります。嘔吐や下痢を強く認め、経口摂取できない場合は、ウイルス性であれ、細菌性であれ入院加療が必要となる場合があります。

腸重積

こどもがおなかを痛がったり、激しく泣いたり、怒ったり、不機嫌になったりしますが、しばらくするとそれらの症状がなくなります。よくなったかと思うと同様の症状を繰り返し、そのほかの症状は、顔色が悪くなったり、嘔吐や血便(イチゴジャム状)を認めます。これらの症状は、腸の一部が隣の腸に入り込み重なることで生じます。そのまま放置すると、腸が重なっている部分の血液の流れが悪くなり、腐ったり、腐った腸から細菌が入り全身に広がってしまうことがあります。診断は腹部超音波検査を行い、射的の的のようなtarget singを認めます。診断がついた場合は、早急に腸の重なりを解除する必要があります。入院施設の小児科へ紹介し、非観血的整復術(おしりより造影剤入りの液体を注入し、圧力で腸の重なりを解除する)を施行する必要があります。腸重積が解除された場合は24時間以内に再発率が10-15%あるため、経過観察の意味も含めて入院が必要です。

急性虫垂炎

上腹部の不快感からはじまり、その後は右下腹部の痛みへと変わります。その他に嘔気・嘔吐などの症状も認めます。小腸から大腸になる部分に盲腸があり、盲腸から出ている親指のような突起物を虫垂といいます。この虫垂で感染症が起きると虫垂炎となります。以前はすぐに手術を行っていましたが、現在は抗菌薬の内服や点滴で改善する場合は手術を行わずけいかをみます。腹痛を強く認める場合や噴石を認める場合は手術になる可能性もあります。

食物アレルギー

食物アレルギーの消化器症状として腹痛、嘔吐、下痢などがあります。即時型の場合は、原因食材摂取2時間以内に症状を認め、血液検査では特異的IgE抗体が陽性となることが多くみられます。特異的IgE抗体価が陰性で、原因食材摂取2時間以上経過してから頻回の嘔吐を認める場合は、新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症を疑います。血液検査では特異的IgE抗体が陽性とならないため、原因食材を摂取するたびに同様のエピソードを繰り返している場合、診断がつきます。即時型は最低限の除去をしながら、定期的に摂取を行い、摂取量を増量していきます(緩徐免疫療法)。これに対し、新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症は積極的に摂取することで食べれるようにはならず、除去を継続します。ただし、経過観察でほとんどのお子さんは自然に食べれるようになります。

便秘症

便秘は、腹痛のおよそ7割を占めると言われています。数日間排便がみられず、おなかに便がたまることで腹痛を認めます。排日排便していても、量が少なければおなかには便がたまり腹痛を認めます。毎日排便があるからといって必ず便秘ではないといいきれません。

嘔吐

嘔吐は腹痛等と同時に認めることが多く、原因も先ほどの腹痛の原因と一致することがあります。感染性胃腸炎や腸重積、その他には、頭部打撲、髄膜炎、脳腫瘍などの可能性もあります。

下痢

下痢も同様に腹痛や嘔吐等と同時に認めることが多く、原因も先ほどの腹痛の原因と一致することがあります。

抗菌薬

治療として用いられる抗菌薬は感染症の原因に対して効果がありますが、それ以外の菌、例えば腸内細菌に対しても効果があり、腸内細菌叢のバランスが崩れ、下痢になることがあります。

乳糖不耐症

牛乳を飲んだ後に下痢を認めますが、こどもは元気に過ごしています。乳糖を分解するためのラクターゼと呼ばれる酵素が生まれつき不足していたり、働きが弱かったりすることで乳糖を消化吸収できません。消化吸収されなかったが乳糖は小腸の水分を引き寄せて下痢を引き起こしたり、大腸で細菌に発行されてガスが生じます。ラクターゼは成長とともに分泌量が減るため、成長とともに乳糖不耐症がみられることもあります。感染性腸炎などで小腸の粘膜がダメージを受けることでラクターゼの働きが弱まり、発症することもあります。この場合は、小腸の粘膜が修復されると改善します。乳糖は、ラクターゼで分解され、小腸から吸収すれます。乳糖不耐症では、乳糖の正常な分解ができなくなり、消化吸収ができなくなります。そのため、乳糖が小腸の水分を引き寄せて下痢を発症させたり、大腸で細菌に発行されてガスが生じます。

便秘

便秘は、排便の回数が少なくなり、便が硬く排便困難になる状態です。原因としては運動不足、水分不足、食物繊維の不足、排便習慣の乱れないと言われています。

ヒルシュスプルング病

新生児期から便秘傾向があり、便秘による腹部膨満、嘔吐、発育不良がみられます。その原因は肛門から連続する無神経節腸管のためであり、早期の診断と手術が必要です。

機能性便秘

疾患が原因ではなく、生活習慣や心理的要因による便秘。排便習慣の改善、食事療法、薬物療法を行います。