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新学期が始まり、4月になって早くも3週間が経ちました。この時期になると、必ずと言ってよいほど多くの保護者の方から同じようなご相談を受けます。それは、新しく保育園や幼稚園に通い始めたお子さまの「鼻水や咳が続いている」という症状です。
- 「鼻水や咳が出ていますが大丈夫でしょうか」
- 「なかなか治りません」
- 「ずっと続いていて心配です」
このような声はとても多く聞かれますが、実は保育園や幼稚園に通い始めたこの時期には、ごくよく見られる現象です。
これまで家庭の中で比較的限られた環境で過ごしていたお子さまが、集団生活の中に入ることで、たくさんの子どもたちや大人と関わるようになります。その結果、今まで出会ってこなかったさまざまなウイルスや細菌に触れる機会が一気に増えます。
当然ながら、これまで多くの感染症に触れてこなかったお子さまは、そのたびに風邪をひいたり、鼻水や咳が出たり、ときには発熱することもあります。これは異常なことではなく、むしろ体が新しい環境に慣れながら、免疫を少しずつ作っていく過程と考えられます。いわば「体が強くなっていく途中の反応」と言えます。
そのため、鼻水が出ていたり、軽い咳が続いていたとしても、元気に遊べているかどうかがとても大切な目安になります。食欲があり、機嫌よく過ごせていて、夜もしっかり眠れているようであれば、多くの場合は過度に心配しなくても大丈夫です。
一方で、注意が必要なサインもあります。例えば、元気がない、食欲が落ちている、咳や鼻水のせいで夜に眠れないといった場合には、体調がより強く影響を受けている可能性があります。
また、夜に眠るときには呼吸の様子も見てあげてください。ヒューヒュー、ゼーゼーといった音がしていないか、首の付け根やお腹、肋骨の間がペコペコとへこむような呼吸になっていないかを確認します。こうした「呼吸が苦しそうなサイン」がなければ、呼吸状態は比較的落ち着いていると判断できます。
ただし、呼吸が落ち着いていても、鼻水や咳が長く続く中で注意したいのが「➀中耳炎」と「②副鼻腔炎」です。
➀中耳炎について
子どもは耳と鼻をつなぐ耳管という管が大人より短く、太く、水平に近い形をしています。そのため、鼻の奥にたまったウイルスや細菌が耳へと入りやすく、中耳炎を起こしやすい特徴があります。
夜になって急に泣き出す、耳を頻繁に触る、機嫌が極端に悪いといった様子が見られる場合には、中耳炎の可能性があります。特に夜間は痛みが強く出やすく、子どもが眠れなくなることもあります。
このようなときには、ご家庭にある解熱鎮痛薬(カロナールやアセトアミノフェンなど)を使用することで痛みを和らげることができます。飲み薬でも座薬でも問題ありません。服用後は30分ほどで効果が出てくることが多く、痛みが軽くなればそのまま眠れることもあります。「熱がなくても使って良いのでしょうか」と質問される保護者もおられますが問題ありません。痛み止めとして使いますので、熱はなくても大丈夫です。痛みが落ち着いたように見えても、翌日には一度小児科を受診しておくと安心です。
※中耳炎については、過去のコラムでも取り上げています→夜間の耳の痛みについて
②副鼻腔炎について
さらに鼻水の色も一つの目安になります。透明な鼻水が出ていて、その後だんだん黄色や緑色に変わり、再び透明に戻っていく場合は、回復の過程であることが多いです。
しかし、黄色や緑色の鼻水が長く続く場合には注意が必要です。特に、ネバネバした緑色の鼻水が何日も続く、咳が強くなっていく、熱を繰り返すといった場合には、副鼻腔炎の可能性があります。このようなときには、鼻水や痰を出しやすくする薬に加えて、細菌感染が疑われる場合には抗菌薬が必要になることもあります。
ご家庭でできるケアとしては、まず鼻水をこまめに取ってあげることがとても大切です。鼻吸い器を使うことで鼻の通りがよくなり、呼吸が楽になるだけでなく、咳の軽減にもつながります。
また、部屋の乾燥を防ぐために加湿をしたり、水分をしっかりととらせたりすることも効果的です。体調がすぐれないときには、無理に登園させず、しっかり休ませることも大切な回復の一部です。
慣らし保育が始まるこの時期は、どうしても体調を崩しやすく、保護者の方にとっても不安が大きい時期です。しかし、こうした経験を繰り返しながら、お子さまの体は少しずつ強くなっていきます。
不安な気持ちを抱えたまま過ごす必要はありません。気になる症状があれば、いつでも遠慮なく受診時にご相談ください。小さな疑問でもお話しいただくことで、安心につながることは多くあります。
土曜日、日曜日は16時まで診療しております。どうぞお気軽にお越しください。




