発熱|むろや小児科アレルギークリニック|吹田市阪急千里山駅の小児科・アレルギー科

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発熱

発熱|むろや小児科アレルギークリニック|吹田市阪急千里山駅の小児科・アレルギー科

発熱の原因

発熱の原因は様々ですが、もっとも多い原因は感染症です。感染症も様々ですが、中でも気道感染症と尿路感染症が多くみられます。それは、気道と尿路が体の中と外を直接つないでいるからです。

発熱の病気

急性上気道炎

気道とは、鼻(鼻腔)から始まり、のど(咽頭と喉頭)を通って、気管、気管支、細気管支と枝分かれし細くなっていきます。気道感染症の多くは、ウイルス感染症によるもので、一般的に風邪(急性上気道炎)と言われるものです。発熱、咳、鼻水、のどの痛みなどが主な症状です。通常、数日で自然によくなります。発熱は5日目までに自然にさがることが多いですが、咳や鼻水は12週間続くこともあります。抗菌薬は細菌感染症には効果がありますが、ウイルス感染に対しては効果がありません。そのため、現在は風邪に対して抗菌薬は処方されなくなってきています。さらに不必要な抗菌薬を飲むことにより、例えば人の腸に住んでいる良い細菌(腸内細菌)もやっつけてしまい、腸内環境のバランスが崩れて下痢などの副作用がみられるようになります。また、抗菌薬の効きが悪い、または効かない細菌(耐性菌)を生み出すこともあります。

A群β溶血性連鎖球菌感染症

発熱や咽頭痛、頸部リンパ節腫脹、発赤などの症状を伴うことがあります。また口腔内の症状として、扁桃腺の発赤と腫れ(扁桃腺発赤・腫大)、白い膿(白苔)があります。診断は迅速検査で行われます。A群β溶血性連鎖球菌は細菌感染症であるため、抗生剤を飲む必要があります。

急性中耳炎

風邪をひいたとき、鼻やのどにいる細菌が鼻の奥からつながっている耳管を通じて中耳内へ侵入します。そこで感染症を引き起こし炎症が生じます。この炎症によって分泌された膿が中耳内にたまって鼓膜を圧迫し、強い痛みや発熱、耳の詰まった感じなどが起こります。その炎症が続き、膿が許容量を超えると鼓膜が破け耳垂れ(耳漏)が生じます。必要時は抗菌薬の内服を行います。破れた鼓膜はおよび1週間から10日ほどで自然閉鎖します。

急性副鼻腔炎

副鼻腔は鼻腔とつながっている骨の中の空洞で左右一対で4種類(上顎洞、篩骨洞、前頭洞)あります。多くの場合、風邪などのウイルス感染症が引き金となります。ウイルス感染症によって鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔と鼻腔をつなぐ穴(自然口)が塞がってしまいます。そのため、副鼻腔内の換気ができず、粘液が溜まり、そこで細菌が繁殖して二次的な細菌感染症を引き起こし、膿が溜まります。症状は、発熱、頭痛、鼻閉間、臭覚麻痺、味覚低下などがあります。発症当初はウイルス感染症が主体であるため、抗菌薬は飲まず、去痰薬内服や擤鼻などで経過をみます。症状の改善が乏しく悪化する場合は抗菌薬の内服を行います。

急性肺炎/急性気管支炎

風邪の症状に加えて、咳がひどくなったり、ゼイゼイしたり、呼吸回数が多くなったり、首や肋骨の間がペコペコと凹んだり、ぐったりしたりするとき、肺炎や気管支炎を疑います。気管、気管支、細気管支、肺胞をまとめて下気道と言います。下気道は酸素と二酸化炭素の交換を行っており、下気道で感染症が起きる急性下気道炎(肺炎や気管支炎)では酸素と二酸化炭素の交換がうまくできず、先ほど述べたような症状がみられます。その場合は必ず受診し、診察を受けてください。場合によっては入院が必要となることもあります。急性下気道炎も急性上気道炎と同様にウイルス感染症がほとんどですが、中には細菌感染症(肺炎球菌やインフルエンザ桿菌、マイコプラズマ、クラミジア、百日咳など)の場合もあるため必要時は抗菌薬が必要となります。

尿路感染症

咳や鼻水などの気道症状を伴わず、発熱のみの場合、尿路感染症を疑います。発熱を伴わず、何度もトイレに行ったり(頻尿)、おしっこをするときに痛みがある場合(排尿時痛)は膀胱炎を疑います。発熱以外の症状なく、血液検査で白血球数の増加、炎症反応の高度上昇があれば急性腎盂腎炎を疑います。一般尿検査や尿沈渣、尿培養検査で診断します。尿路感染症は細菌感染症であるため抗生剤を飲む必要があります。1歳までは男の子に多く、1歳以降は女の子に多くみられます。

感染性胃腸炎

ほとんどはウイルス感染症ですが、鶏卵や鶏肉などを摂取していたり、血便を認めたりする場合は細菌感染症の可能性があります。発熱、嘔吐、下痢、腹痛などが主症状ですが、発熱を伴わない場合もあります。嘔吐や下痢がひどい場合は脱水症や低血糖に注意が必要です。ウイルス感染症の場合、抗菌薬は飲まず、それぞれの症状に対応します。また、細菌感染症の場合、抗菌薬は必要時飲みますが必須ではありません。

環境因子

高温多湿の環境下で長時間過ごした場合、体温調節がうまくできずに熱中症を発症し、体温が上昇することがあります。特に乳幼児は注意が必要です。症状は、倦怠感や意識障害を伴う場合があります。すぐに冷却と水分補給を行い、改善しない場合は医療機関を受診してください。

予防接種後発熱

予防接種後に、一時的に体の免疫反応として発熱することがあります。通常は軽度で、2448時間以内に自然に解熱します。生ワクチンは弱毒化しており、風邪のような症状を伴うこともありますが、不活化ワクチンは発熱、接種部位の疼痛、発赤、腫脹などを伴いますが、かぜ症状は伴わないです。

その他

ストレスや過度な運動、脱水症、薬剤の副作用なども発熱の原因となり得る場合があります。

熱性けいれん

発熱の原因ではなく、発熱の結果として、24時間以内に乳幼児にみられます。100人中56人にみられ、熱性けいれんを起こした子供の4人に1人の割合で発熱したときに熱性けいれんを繰り返すと言われています。けいれん自体は数分以内におさまり、左右対称の動きで、意識障害は続かず、24時間以内にけいれんを繰り返すことはありません。このようなけいれんを単純型熱性けいれんといい、運動面や発達面で障害を残すことはないと言われています。逆に、一つでも当てはまる場合は複雑型熱性けいれんと言って、基礎疾患が隠れている場合があります。数分経過してもけいれんが止まらず、長時間続く場合は救急受診が必要です。予防は抗けいれん薬の座薬を行います。抗けいれん薬による予防を行っても熱性けいれんを予防できない場合は、抗てんかん薬の内服を開始します。