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夏風邪が流行する季節になりました。
4月からあっという間に3か月が経ちました。
慣らし保育を始めた頃は、発熱や鼻水、咳を繰り返し、「また熱が出てしまいました」と受診されるお子様がたくさんおられました。しかし最近では、「1週間熱が出ずに保育園へ通えました」「鼻水や咳はありますが元気に過ごしています」といった嬉しい報告を保護者の方から聞く機会が増えてきました。
保育園や幼稚園に通い始めたばかりの頃は、さまざまなウイルスに出会うため体調を崩しやすくなります。それでも、一つひとつの感染症を経験しながら少しずつ免疫を獲得し、新しい環境にも慣れていきます。診察室で元気に笑顔を見せてくれるお子様を見るたびに、「少しずつ体も強くなってきているんだな」と感じています。
この春は、A群β溶血性連鎖球菌感染症、アデノウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、感染性胃腸炎などが流行しました。また、喉の赤みはそれほど強くないものの、「喉がとても痛い」と訴えるお子様に新型コロナウイルスの迅速検査を行うと陽性となるケースもありました。
そして最近は、夏風邪が多くみられる季節になってきました。
夏風邪とは、6月末から8月頃に流行するウイルス感染症の総称です。代表的なものとして、ヘルパンギーナや手足口病があります。
ヘルパンギーナでは、突然39~40℃前後の高熱が出て、お口の奥に小さな水疱やアフタ(口内炎のような潰瘍)ができます。そのため、食事や飲み物を口にすると痛みが強くなり、水分を嫌がるお子様も少なくありません。
一方、手足口病では、お口の中の水疱やアフタに加え、手のひらや足の裏に小さな水疱や発疹が現れます。お尻に発疹が出ることもあり、症状の出方には個人差があります。また、回復してから1~2か月後に一時的に爪が剥がれることがありますが、多くは自然に新しい爪が生えてくるため心配はいりません。
これらの病気の原因は、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルスなどです。同じ仲間のウイルスであるため、似たような症状を示すことが多く、年によって流行するウイルスの種類も異なります。
【抗生物質について】
診察中によく保護者の方から、「抗生物質を飲めば早く治りますか?」という質問を受けます。しかし、夏風邪の原因はウイルスであるため、細菌に効果のある抗菌薬(抗生物質)は効きません。最終的には、お子様自身の免疫の力でウイルスを退治していきます。
熱は3~5日程度続くことがありますが、中には発熱しないまま経過するお子様もいます。大切なのは熱の高さだけではなく、お子様の全身状態です。熱があっても水分が摂れて元気に遊べているのであれば、ご自宅で様子をみられることも少なくありません。
一方で、高熱が続いてぐったりしている、お口の痛みが強くて水分も飲めない、おしっこの回数が減っているといった場合は注意が必要です。そのようなときは、アセトアミノフェン(カロナールなど)の飲み薬や坐薬を使用し、熱や痛みを和らげることで食事や水分を摂れるようになることがあります。それでも十分な水分が摂れない場合には、脱水を防ぐため点滴が必要になることもあります。
【ステロイドについて】
また、診療の中で、「手足口病の水疱にステロイドを塗っていますが良くなりません」「飲み薬で早く治る方法はありませんか」と相談されることがあります。
ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎や湿疹など皮膚の炎症を抑える薬です。しかし、手足口病のようなウイルスによる水疱そのものを治す効果はありません。そのため、水疱だけにステロイドを塗っても改善は期待できません。
もし発疹にかゆみを伴う場合には、保湿剤や抗ヒスタミン薬を使用して症状を和らげることがありますが、多くの場合、水疱は1週間ほどで自然にかさぶたになり治っていきます。必要以上に薬を塗るよりも、清潔を保ちながら経過をみることが大切です。
夏は楽しいイベントがたくさんある季節です。暑さによる疲れも加わるため、十分な睡眠とこまめな水分補給を心がけながら体調を整えていきましょう。
発熱が続く、ぐったりしている、水分が摂れない、呼吸が苦しそうなど、いつもと様子が違うと感じたときには、早めに医療機関へご相談ください。お子様が元気に夏を過ごせるよう、私たちもお手伝いしていきたいと思います。
土曜日、日曜日は16時まで診療しております。どうぞお気軽にお越しください。




